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2002年の夏に、その願いは始まった。
「mimiちゃん、「Dear,こげんた」の本を出しましょう!!」
私はmimiさんに提案し、その実現に向けて動いていた。
本を出版するにはどうしたら良いのかも皆目検討もつかない私は、とにかくいろいろな出版社にあたってみることにした。
「Dear,こげんた」サイトの管理・運営・資料作成・さまざまな「緊急!」事態に追われながら、なかなかその時間を作ることができなかったが、気持ちだけは持ち続けた。
「どこの出版社に企画を持ち込もうか??」
私は本屋さんに行って、動物関係の本を出版している出版社を片っ端からメモして行った。
まずは、その中の1社「○○○○出版」に働きかけてみた。そこは、シリーズもので犬猫の殺処分を減らすための啓蒙書を発行していたのだ。
その出版社のサイトを見ると、代表取締役社長の書いた「○○○○出版のめざすもの」という文章の内容にも共感した。
そして、メールを書いてみた。
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はじめまして。
突然のメールを差し上げますご無礼をお許しください。
実は、私は5月6日に起きたネット上で子猫虐待ライブ中継を行った事件を取り上げているサイト
「Dear こげんた」
http://www.tolahouse.com/sos/
で、管理人のmimiさんと悩みながら活動している者です。
「最終目的は犯人一人の糾弾ではなく、いかにこれから法が改正され、虐待が減り、保健所で殺される子たちがいなくなり、要はこれからの 日本の動物達の幸せ、人間といかに共存していくかが 本来の目的です。まだ 試行錯誤の段階ですが、皆様の意見を聞き取り入れながら、活動して行きたいと思ってます。(mimiさんのレスから)」
という思いが根底にあります。
私たちは、どこの動物愛護団体にも入っておらず、
個人として様々なことを知るうちに、
日本のあまりの動物の悲惨な状況に心を痛め、
なんとかしたい!!という思いを抱くようになったものです。
○○○○出版様の「○○○○」シリーズも
ずっと前から買って読ませていただき、
感動や勇気や、問題意識を更に持たせていただいてきました。
今回、虐待問題のサイトを立ち上げたのですが、
事件が衝撃的だっただけに、反響が大変大きく、
この1月のアクセス数は57000を越えようとしています。
私たちとしては、せっかく、ここで多くの方が関心を持ってくださったチャンスを、
なんとしても更に広い視点で動物との共生を目指す世の中になるための
広報活動や意識改革まで持っていくことはできないか・・・と考え始めました。
しかし、なにしろ本当にみんな「素人」です。
勉強も足りません。
そんな中、貴社の「○○○○」シリーズを思い出し、
読み返しているうちに、そこに多くの学ぶべきことがあるとわかってきました。
「Dear こげんた」を何とか形にして出版まで持っていくことはできないだろうか・・・とも思ったりしています。
(中略)・・・とはいえ、本当に私たちは暗中模索状態で、どこからどう手をつけていこうか、必死に動いてはいるのですが、(あまりに辛い事件なので、精神的にもまいってしまい)なかなか進むべき方向が定まりません。
どうか、1度ご相談にのっていただけませんでしょうか?
もし、それが不可能だとしても、
貴社の本を、サイトにて紹介するご許可をいただけませんでしょうか?
なにとぞよろしくお願いいたします。
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しかしながら、このメールには、お返事をいただくことはできなかったのである。
がっかりし、やはりこんな素人相手に、真剣に話を聞いてくれる出版社なんて、ないのかな?と思った。いやいや、まだまだこれからだ!私は自分に渇を入れて、新たに出版社を探した。
そして、今度はメールではなく、資料を作成し、郵送してみることにしたのである。
資料は、「Dear,こげんた」サイトのページ1枚1枚をスクリーンショットを取り、それを1枚の画像に繋ぎ、そこに書かれている文章を読みやすく隣りにレイアウトし、サイトの中身が、インターネットに繋がなくてもわかるようにした。
その他に、サイトのポリシーをまとめたページや、協力してくださっているイラストレーターさんのイラストをまとめたもの、エッセイの抜粋、掲示板への書き込みの抜粋、今までの反響がわかる統計、そして、こげんたちゃん事件の概要をまとめたもの、「Dear,こげんた」サイトが目指していることをまとめた資料、動物虐待にかかわる資料・ファーストストライクキャンペーンなどなどを準備した。
これを作るだけでも、どれほどの時間がかかったことだろう・・・。私が出版を目指したのは、もっともっと多くの人々にこの悲しい現実を知ってほしい、という想いと、もう1つ・・・・。
こげんたちゃん事件の時、反響が大きくなって事件はテレビでも取り上げられることもあったし、裁判になった日もテレビニュースで流れた。そして、それだけの大きな反響を呼び起こした「Dear,こげんた」への新聞社からの取材申し込みなどもあったのである。mimiさんは、自分たちの思いを必死にしゃべったはずだ。しかしながら、記事になったものを読むと、あまりに私達の想いとはかけ離れた視点で書かれている。テレビのワイドショーでも「それは違うんじゃないか?!」という視点で、キャスターが偉そうにしゃべっていた・・・。
「駄目だ・・・・。このような報道のされ方では、私達の想いは曲解されるだけだ・・・・。
自分たちの想いを、きちんと自分たちの言葉で伝えられる「本」を出したい!!」
その想いを強くしたのである。
私は作った資料をファイルし、自分の出版への想いを綴った手紙とともに、大手の出版社と、動物ものの本がメインの出版社に郵送した。
2002年11月9日、そのうちの1社(大手出版社)「○○○○ 企画出版部」から、返事が来た!
返事が来た!!!!と思ってドキドキしながら封を開けると、
「お電話でのお問い合わせをお待ちします。お話を伺った上で、見積り、体裁、進行、日程表などを書面にして提出させて頂きます。」
とだけなっていた・・・・。
私達はお金がない・・・。自費出版なんて無理だ・・・。
自費出版で、微々たる冊数を作れたとしても、それでは作る意味がない・・・。
もう1社(大手出版社)も同様に、きれいに装幀された「自費出版の手引き」が返事として送られてきただけだった・・・。
そんな中・・・!
運命の扉は開いたのだ!
それが「ハート出版」の編集長Fさんとの出会いだった・・・。
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From: ハート出版
Date: Wed, 13 Nov 2002
To: "kanako"
Subject: 編集会議を終えて…
kanakoさま
先日、編集会議にて、提案のあった企画(こげんた物語)について検討しました。
事前に、kanakoさまから送られてきたファイルを回覧してありました。皆、犯人に対して憤慨しておりました。
これまでの当社の出版の路線からいって、大きく外れることはないだろう、というのが大方の意見でしたが、そのままこれを本にするには、あまりにも生々しすぎるし、著作権のこともあるので、そのままでの出版は難しいだろう、ということになりました。
じゃあ、どうするの?
ということになり、
1.当社の路線である、児童書(童話の形)にするか、
2.あるいは絵本か、
3.それともドキュメントとした大人向けルポルタージュか
が考えられるのではないか、となりました。
結論としては、以下のようなものです。
1.そのままでは厳しいが、
2.動物保護、救済運動に結びつく内容を厳守し
3.なおかつ、子どもたち、親御さんたちが読めるような形にできる
4.であれば、前向きに検討すべし。
おおよそ、以上のようなものになりました。
kanakoさんの、ご感想はどうですか?
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ハート出版編集長
F(イニシャル)
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私は感激してすぐにお返事を書いた。
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ハート出版F様メールをありがとうございました。
また、編集会議にて、検討してくださったこと、
本当に感謝いたします。
お送りいたしました資料は、そのままで出版できるとは、
こちらもまったく思ってはおりませんでしたので、
切り口がいろいろあることを見ていただき、
ハート出版社様の元で、
可能な切り口をご提案いただけましたら幸いに思います。
つきましては、1度そちらに出向き、
お話をさせていただくことは可能でしょうか?
ご都合がよろしければ、ぜひとも伺わせていただきたいと存じます。
よろしくお願い致します。
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すぐに、編集長Fさんから「どうぞ、おいでください。」というお返事が届いた。
私は、興奮して電話をかけてアポを取り、11/19に協力者sさんと共にハート出版社を訪ねたのである。
2004.6.22記 |