HOME >> CONTENTS >> 日本の自治体調査・情報・自治体への要望活動メニューへ>>がんばる!行政!

三重県久居市の発行する広報『ひさい』_2004年10月号です。

 

広報誌「ひさい」に6ページにもわたり、動物愛護の特集が組まれました。これは画期的なことだと思います。

 

※下の3つの写真をクリックすると大きく見れます。

犬・猫の飼育は最後まで愛情を持って

犬・猫については“ふん害”や野良犬・猫の問題だけでなく、処分される犬や猫の問題もあります。しかし、これらの問題は私たち一人ひとりが、正しい知識を持ち、モラルを守って飼育することで、改善できるものが多くあります。「家族の一員として、生き物に対して責任を持って、正しく飼育する」ということをもう一度、考えてみませんか。

保健所では


市内を管轄する津保健所(津市桜橋、県津庁舎内)では、野良犬の保護や、飼うことができなくなった犬・猫を引き取っています。
引き取り頭数は、季節によって異なり、犬は引越しシーズンの3〜4月、猫は出産シーズンの6〜7月が多く、最近では、野良犬が収容されるケースよりも、飼い主からの引き取り依頼の方が増加傾向にあります。
飼い主から直接、引き取る場合には「引き取り願い書」を記入してもらっており、主な引き取り理由としては、引越しのためや、病気のため、むだ吠えで迷惑をかけるためなどです。


首輪には登録鑑札、連絡先を
犬や猫は、地震、雷や花火大会などの際、怖がって逃げることがあります。逃げ出した犬・猫が交通事故にあうことや、人に危害を加える危険もありますので、ふだんから、犬なら鎖をしっかりつなぐなどして、逃げないように気をつけてください。また、逃げ出したときのために犬には首輪に登録鑑札をつけてください。猫には飼い主の名前、電話番号などの連絡先が首輪に書いてあるとすぐにお返しすることができます。


飼い犬・猫がいなくなったら、すぐに問い合わせを

保護された犬・猫については、最低3日間保護することになっています。もし、飼い犬・猫がいなくなったら、保健所で預っていることがありますので、すぐに問い合わせてください。また、警察、市にも連絡すると、発見された際、飼い主に速やかにお返しすることができます。


引き取り願いの前に、もう一度考えてみてください

最近、増えてきているという飼い主からの引き取り願いのケースでは、やむを得ず飼うことができなくなり保健所に引き取り依頼することもあるでしょうが、ちょっとした心がけや正しい飼育の知識などで、結果として引き取りに出さずに飼育を続けられるケースもあるのではないでしょうか。
飼育する前にきちんと計画を立てることや、避妊・去勢手術をしていれば飼育を続けられたケースもあります。引き取りに出す前に、「生き物に対して責任を持つ」ということをもう一度、考えてみませんか。
保健所では、飼い方やしつけについての相談も受け付けています。お悩みのかたは、ぜひご相談ください。


問い合わせ 津地方県民局保健福祉部保健衛生室衛生指導グループ(電話223-5192)

 

小動物施設管理公社では

市内には、三重県内の保健所などから集められた犬・猫を処分する(財)三重県小動物施設管理公社(森町)があります。同公社では、定期的に県内各保健所を回り、保護された犬や飼い主から引き取った犬・猫を回収し、処分する業務を行っています。
犬の処分数は10年前の5分の1まで減少していますが、現在でも、県内から集められた犬:約2,500頭、猫:約5,700匹(15年度)が処分されています。


働いている人たちの声
この仕事に就いたのは「子どもたちが野犬にかみ殺された」という事件があり、悲しい事故を少しでもなくそうと考えたからです。
しかし、現実は、家庭で飼えなくなったなどの理由で連れてこられた犬や猫を処分しなければならないことがほとんどで、初めは、あまりにもショックで1ヶ月程、まともにご飯を食べられませんでした。現実に処分しなければならない私たちが一番つらいのです。
飼う人が計画をもって強い意志で飼えばこのようなことは減らせるのです。これ以上悲しい動物を増やさないでください。
問い合わせ (財)三重県小動物施設管理後者(電話256−4168)

 



犬・猫を守るために活躍している人たち

 

動物愛護の啓発を全国で行っている「動物の命を救う会 TAPS」代表の濱井さんにお話を伺いました。


この子達を救いたくて全国で講演を行っています

命の尊さを訴えるために、北海道から九州まで日本各地で講演、久居市図書館でも平成13年3月に講演を行っています。
平成13年には「動物サミット2001」を名古屋で開催し、公演やパネル展示、署名活動などを行い、約9,000人が集まる歴史的なイベントとなりました。
また、「この子たちを救いたい」、「ピーコの祈り」など、5冊の本を書き、大きな反響を呼びました。特に、「この子たちを救いたい」は12万部を売り上げ、2万通の手紙が届きました。そして、この本は、日本のみならず、アメリカでも販売されるまでになりました。


行政と手を取り大きな力に
これらの活動をしていて、保健所の職員たちの苦しみを伝えることができたし、行政、動物愛護団体が手をとりあう形ができ、大きな力になったのではと考えています。
三重県で処分される犬の数は、平成10年の約5,400頭から平成15年の約2,500頭まで減ってきています。私たちの活動が処分される犬の減少の一因になっていればうれしいですね。


飼うということは共に暮らすこと
犬・猫の習性を十分理解して飼うようにしてください。「犬・猫が噛んだから保健所」の考えを捨ててください。噛んでも矯正できる能力がある人が飼う資格があるのです。「噛んだから捨てる」という考えが、現在、問題になっている児童虐待や子供たちの凶悪事件につながっているのではないでしょうか。
飼うということは、つなぎっぱなしでえさだけあげるのが飼うということではありません。飼うということは、犬・猫を理解し、共に暮らすということです。


ぜひ、避妊・去勢手術を

避妊・去勢手術は、処分される犬・猫を増やさないようにというだけでなく、苦しみを与えない(犬・猫は交尾しないと苦痛がともないます)、病気を防ぐ(避妊をすると卵巣、子宮がなくなるので女性ホルモンの病気がなくなります。去勢により前立腺がんを防げます)、しつけがしやすくなる、けんかがなくなるなどの利点があります。


飼う人はできれば新しい飼い主を探している人から
犬・猫を飼うということは、生活にうるおいができ、命の大切さを学ぶことができます。しかし、世話が大変ですし、お金もかかります。最後まで愛情を持って飼うことができる人だけが飼う資格があります。
犬・猫を最後まで飼う強い意志のある人は、飼い主探しをしている人や、動物保護団体を訪ね、1匹でも処分される犬・猫を助けてください。私たちのホームページでも情報が載っています。
(http://www.taps.gr.jp/public_html/parents/attention-01.html)


どうしても飼えなくなったら飼い主を探してください
「飼えなくなって処分されるのはかわいそうだからどこかへ捨てよう」という考えは、人に迷惑になるばかりでなく、不幸な犬・猫を増やすことにもつながります。捨てることは絶対にやめてください。
どうしても飼うことができなくなったら、まず、育ててくれる人を探してください。見つからなかったら、新聞広告やホームページでも探してください。


マスコミに影響されずに

マスコミに影響されて安易に犬・猫を飼わないでください。最後まで責任を持てるかよく考えてかってください。


犬・猫の新しい飼い主探しのお手伝いをしている方にお話を伺いました。
(本人の希望により名前は掲載しません)


1,000匹近く助けてきました
約10年前から迷い犬・猫や捨てられた犬・猫の飼い主探しをしています。今までに1,000匹近くは助けてきたと思います。
現在、犬が約30頭、猫が約20匹おり、新しい飼い主を探しています。


あまりの捨て犬の多さにびっくり

犬・猫の飼い主探しをしようと考えたきっかけは、10年前、仕事で毎日市場へ仕入れに行っていたとき、あまりに捨て犬の多さに驚いたからです。そのつど、係の人が涙をのんで保健所に連れていっていました。朝、行くと段ボールの中に子犬が数頭、また数頭と入れてあるのです。
人間も犬・猫も同じ生きる動物として命の大切さを考えてほしいし、人間が助けてあげなければ犬・猫だけでは生きていけない世の中です。
「望まない子なら避妊・去勢手術をするべきだ」との啓発も兼ねて現在の活動を続けています。


小さなことから私なりに
迷い犬・猫や捨てられた犬・猫の保護をしてポスターを貼ったり、新聞に広告を出したりして飼い主を探しています。
虐待されているのを見かねた隣の人が、その犬を連れてきたこともあります。その犬は最初、さわっただけで「ウー」とうなり警戒していましたが、今はやさしい目つきになっています。
全国的に活動するような大きなことは私にはできませんが、限られた範囲で小さなことから私なりにやっていこうと考えています。


自分が助けないとこの子たちは生きていけません

犬、猫あわせて約50匹もいると、雨の日も雪の日も毎日、世話に追われています。病気の犬・猫を見る時は苦痛ですし、お金もかかります。旅行も行けませんが、自分が助けないと、この子たちは生きていけないと考えて頑張っています。犬・猫は言葉がしゃべれない分、わたしたち人間が理解しないといけません。この気持ちを皆さんも持ってほしいと思います。


犬・猫から教えられることもあります

命の大切さなど犬・猫から教えてもらうことが多いのも事実です。犬・猫を飼うことによってやさしさが生まれて、人にもやさしくできます。そして、犬・猫を通して、人と人とのつながりもできます。


新しい飼い主には厳しい審査を
もちろん、一生涯、責任を持って大切に飼う人だけに飼う資格があり、そのような人だけに犬・猫をお渡ししています。
新しい飼い主になってくれる人にもきちんと審査をして、避妊・去勢手術をする、最後まで適正に養育するなどの誓約書を書いてもらっています。その後、本当に適正に飼育されているかを確かめるための訪問も行っています。
子犬の飼い主は見つかりやすいのですが、猫と成犬の飼い主は探すのが難しいのが現実です。


飼えなくなった犬・猫の引き取りはしていません

「飼えなくなったので引き取ってほしい」との相談をよく受けますが、現在、そのような相談は全部お断りしています。飼えなくなったときに代わりに育ててくれる人を自分で見つけるのも飼い主の義務だと考えるからです。私も努力して飼い主を探しました。病気の犬・猫でももらってくれる人がいます。あきらめないで、新しい飼い主を探す努力をしてください。


一つでも自信がないと思う人は飼うのをもう一度考えましょう

● 最後まで愛情と責任を持って飼う
● 習性にあった世話をする
● 健康管理をする
● 他人に迷惑をかけない
● 犬、猫に不妊・去勢手術をする

子犬の養子縁組制度

現在、三重県では処分される予定の生後3ヶ月前後の健康な子犬を飼育希望者に譲る「養子縁組制度」があります。
飼育希望者には不妊手術を施すことなどさまざまな条件があり、飼育後、適正に飼育されているかの追跡調査も行います。
飼育希望者が待っている現状
しかし、縁組対象犬が生後3ヶ月前後の健康な子犬と限定しているため、現在は40人程、子犬を待ってもらっているのが現状です。
幸せな子犬はほんの一部
15年度に養子縁組された犬は72匹で処分された犬の3%に過ぎません。これは、養子縁組の対象が飼い犬に適している犬に限られるためです。
成犬は現在、対象外
岐阜県では成犬も養子縁組制度の対象となっていますが、三重県では成犬は対象外となっています。これは、成犬は新しい飼い主になつきにくいなどの理由からです。
しかし、成犬と縁組した人の中には、「成犬はしつけされているので飼育しやすい」、「子犬の一生ほど長く面倒見られないが、成犬くらいなら見られる」との意見もあります。
現在、三重県では、この子犬の養子縁組制度をよりよいものとするため、見直しを行いながら実施しています。成犬の譲渡については、現在の制度が確立されてからと考えています。
養子縁組制度の問い合わせ 県健康福祉部薬務食品室(津市広明町、県庁舎内 電話224-2343)
(財)三重県小動物施設管理後者(電話256-4128)
養子縁組の申し込み 津保健所(電話223-5192)


子犬縁組申込数と縁組数の推移

 

避妊・去勢手術


処分される犬や猫を減らす方法のひとつは、望まない妊娠を防ぐことです。
しかし、避妊・去勢手術は、それだけではなく、攻撃性を低下させる、病気を防ぐ、しつけがしやすくなるなどの効果があります。
避妊・去勢手術は不自然だという人もいますが、犬や猫は人間の世話なしでは生きていけません。
市では、犬・猫の避妊・去勢手術をした人に手術費の一部を補助金として交付しています。
[補助金額]
犬 オス1,500円 メス3,000円
猫 オス1,500円 メス2,000円
避妊・去勢手術補助の申し込みおよび問い合わせ 市環境安全課環境保全係(電話255-3110、内線1242)

 

マナーを守って


現在、犬・猫を飼っている人は、散歩のときにふんを持ち帰る、きちんとしつけるなど、他の人に迷惑にならないよう気を付けてください。
市では看板を立てるなどして、ふんの持ち帰りを呼びかけていますが、まだ、市内各地でふんの苦情が多くあるのが現状です。土地所有者や隣の人とのトラブルとなる恐れもありますので、ふんは必ずお持ち帰りください。
また、野良犬や野良猫に安易にえさをやることは、ふん害を増やすだけでなく、処分される犬・猫を増やす原因にもなっています。
一人ひとりがマナーを守り、犬・猫が好きな人も嫌いな人も共に気持ちよく生活できる社会をつくりましょう。

犬の登録・抹消


犬を飼う場合、飼い犬の登録が義務付けられています。また、飼い犬が死亡した場合は登録の抹消もお願いします。抹消がされていない事が多く、実際の飼い犬の数より登録件数が多い状態になっています。
登録料 3,000円
また、年に一度、狂犬病予防接種を受けさせてください。市では毎年4月に、各地区で集合注射(3,200円)を行っています。動物病院では年中接種することができます。
問い合わせ 市環境安全課環境保全係(電話255-3110、内線1242)

動物を捨てること、虐待することは犯罪です
● 動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

● 動物をみだりに給餌・給水をやめることで衰弱させる等の虐待を行った者は、30万円以下の罰金

● 動物を遺棄した者は、30万円以下の罰金
(「動物の愛護及び管理に関する法律」第27条から)

※2006年に改正され、罰金が50万円以下になりました。

 

犬は気にしない〜主人が金持ちでも貧乏でも、大きくても小さくても、若くても年寄りでも、犬は気にしない〜主人が賢くなくても、不人気でも、冗談が下手でも、運動が苦手でも、かっこよくなくても。犬にとってあなたは、この世でいちばん偉くて、賢くて、すてきな存在。あなたこそ、かけがえのない友であり、保護者なのだ。
ルイス・セービン

 


編集を終えて
この特集を組もうと考えたのは、1匹でも処分される犬・猫を減らしたいとの思いからです。
「捨てるなんて許せない」、「処分されるのはかわいそう」と言うのは簡単です。しかし、どうしても保健所へ持っていかざるを得ない状況になる人がいるのも事実です。
この問題は解決するのが難しい大きな問題です。しかし、私たち一人ひとりの意識によって少しでも変わるかもしれません。
例えば、現在、飼っている人は正しい飼い方をもう一度勉強してみる。飼えない人は飼い主探しに協力する。本気で犬・猫を飼う強い意志のある人は飼い主を探している処分される予定の犬・猫を譲ってもらう。
皆さんのこれらの心掛けのきっかけがつかめればと考えています。

 

テキスト変換協力:サポーター_べりる

「頑張る行政」メニューページへ戻る

動物愛護を頑張っている行政の情報をお寄せください。

Copyright (C) 2004 kanako. All Rights Reserved.

HOME >> CONTENTS >> 日本の自治体調査・情報・自治体への要望活動メニューへ>>がんばる!行政!