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本当に猫が犯人だったのか!?

特別養護老人ホームで認知症の女性(88)の両足から出血、
右足の指すべてが第1関節近くからなくなっていた事件は、
最初の報道で、「猫」が犯人とされていました。

2005年10月14日アップ

特別養護老人ホームで認知症の女性(88)の両足から出血、右足の指すべてが第1関節近くからなくなっていた事件は、
最初の報道で、「猫」が犯人とされていました。

10月8日14時25分に、ネットで流れた共同通信のニュースでは、

『猫に足の指かみ切られる 特養で認知症女性、埼玉』という見出しで、「埼玉県北東部の特別養護老人ホームに入所中の認知症の女性(88)が、右足の指を5本とも第1関節まで失うけがをしていたことが8日、分かった。女性は寝たきりで会話できないといい、ホーム側は侵入した猫が指をかみ切ったと判断、女性の家族に謝罪した。」とされていました。

このニュースに疑問を感じた賛同者の方からのメールが、当サイトに寄せられ、サポーターの皆さんと共に、事実確認と確実な捜査をお願いする電話やメールを埼玉県警や所轄の警察に送りました。

その経緯を報告いたします。

2005年10月8日午後7時
 

この日の午後にネットに流れたニュースを見て、賛同者Aさんからのメールでのご相談あり→アドバイス→賛同者Aさんが埼玉県警にメール

管理人も、埼玉県の警察本部へこの事件への疑問を伝え、入念な捜査をお願いするメールを送信。
埼玉県警察ホームページ
http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/

2005年10月8日午後
 

賛同者のBさんも埼玉県警に電話。担当したのが、加須(かぞ)警察暑であることが判明。
加須警察署に電話。担当刑事の話は、以下のようなものだった。

「担当刑事が現場に行って、ホームの職員からの事情聴取とシーツや床に猫の足跡があったこと、網戸に穴が開いていた事それから、件の猫ですが、口のまわりが赤かったとだけ報道されておりますが、発見時には実は喉元あたりまで血がべっとりとついていたんですね。
それらを合わせ見て事件性なし、猫のしわざと判断して捜査は終結しております」

この回答に対し、賛同者Bさんが、捜査の杜撰さを指摘。

すると、担当した刑事は、
「おっしゃる通りです・・・。
もっと綿密な事件の再捜査をお約束させていただきます・・・」
と回答。

(※このやりとりは、10/10に管理人が警察に電話で質問をした時の回答とは、まったく異なる)

2005年10月10日午後2時頃
 

管理人、加須警察署に電話。
警察へは、数件、やはり問い合わせがあったとのこと。
警察の答えは、
●警察では、報道への情報提供は一切行ってはいないので、今回のニュースが「猫」と特定されるように書かれていても、警察が「猫」と犯人を特定した、という事実はない

「では、この件について、捜査が引き続きなされている、と解釈してよろしいのですか?」
と聞くと、
「それも含めて、捜査の細かいことについては、ご家族の方でもない限り、お話することはできません、ご理解ください」という回答。
そして、この事件に関し、マスコミ関係者からの問い合わせは、まだ1件もない、とのことでした。

大変、今回の「猫犯人説」には、疑問を感じているので、どうか確証があるまでの捜査をお願いしたい、ということを伝える。

2005年10月11日午後
 

当サイトサポーターの方が、行田保健所と「動物管理センター春日部支所」(048−735−2451) へ電話。

行田保健所は『ウチは捕獲していません』との返事。
『センターの間違いでは?』と言われ、センターに電話。
センターの担当者の方によると、
『警察の保管依頼により現在も保管しています。
 警察も特に期限を設けなかったので、本日確認をしました。
 明日あたり期限について連絡があると思います』
との事。
この事件についての見解を求めると、
『そんな事、猫がするか!?まずしないだろう』とお考えだとの答え。
今日だけでセンター・警察合わせて30件近い問い合わせがあった事が判明。
(問い合わせ内容には「殺処分するなら引き取る」というものを含む)
今日になって『週刊文春』が警察に取材に入った事もわかる。
「捜査の過程で猫のオナカの内容物を確認したりはしないのでしょうか。
 捜査の結果、やはり猫が犯人だという事になり、警察から殺処分を求められたら、
 そうせざるを得ないのでしょうか」
と尋ねたところ、
『内容物の確認は捜査の一環である以上警察の仕事なので断ります。  
処分を求められても、現状ではうちは考えていません。
 それに、医師が"動物による傷だ"とは言っていても、"猫"とは明言していない。
 "猫の口が赤かった"という目撃情報も、誰が言ったのか判らないような
 曖昧な情報だから』

概略、このようなやりとりがあった。

2005年10月12日
 

テレビのワイドショーでも取り上げられる。

殺処分の問題があるとコメントされたゲストに対して、テリー伊東が『解剖しなきゃダメなんだよ!人間の命が掛かってるんだよ!』、『3つの考えがある。複数の猫の可能性・・・食いちぎった指を持って他で食べている可能性や・・・』など発言。施設に通う人は『猫は昔から魔物?だから猫だと思うわよ』のコメントが何度も流れる。


(※テリー伊東は外来種問題で『爬虫類が好きで、よく中野のショップに行く。アライグマが入荷された時、凶暴だから飼わないほうがいい。と店員に言われたけれど可愛いから買った。事務所で飼っていたけれど、暴れて手におえなくて結局、引き取ってもらった。あいつは凶暴だ。』と、言っていたことがある。)

2005年10月13日午後
 

当サイトサポーターの方が、再度センターに問い合わせ。
保管期間の問い合わせに関する警察からの返答が無いまま、
本日の県庁との会議で『暫くこのまま保管する』事に決まったとの回答。

 

毎日新聞 2005年10月13日 12時52分の記事

女性足指けが事件:「猫犯人説」に異論噴出 無実の声も

猫が保護されている埼玉県春日部市の動物指導センター 「猫が本当にこんなことをするの?」。埼玉県の特別養護老人ホームで就寝中の女性(88)が右足指を食いちぎられた事件。猫の仕業の可能性が高いとする警察の見解に対して、疑問の声が噴出している。【秋本裕子、山崎征克】
 12日に埼玉県庁で記者会見して“猫犯人説”に反論の口火を切ったのは、NPO(特定非営利活動)法人「アニマル・サポート・メイト」(さいたま市)など動物愛護の5団体。
 同NPOの野田静枝代表理事は、猫の口中写真を見せながら「猫の犬歯は左右2本しかなく、100回以上ゴリゴリかまないと人の骨をかみ切れない」と説明したうえで、「猫が人の骨を食べた話は聞いたこともない」と強調した。
 動物愛護団体がこのほかに猫の仕業を否定する根拠は、▽猫には餌を食べたら口元をなめてきれいにする習性がある。口に血が付いているのは不自然▽特養ホームで使われていた消毒液のにおいを猫は敬遠する−−など。同NPOなどには全国の愛猫家からこの事件への疑問や怒りの声が相次いでいるという。
 猫の生態に詳しい専門家の間でも懐疑的な意見が少なくない。
 「猫の病気とケアがわかる本」などの著書がある宮田動物病院(東京都葛飾区)の宮田勝重院長(61)は「猫が人間の足の指を食べたという話は初耳だ。猫は肉食で足の指をちぎる力はあるが、人間の肉は美味ではなく食べないはず。食べたとすれば極限の飢餓状態だったか、じゃれる遊びがエスカレートしたかのいずれかだろう。足の近くに押さえたつめの跡が残るはずなので、確認した方がいい」と話す。
 日本獣医畜産大学の羽山伸一助教授も「猫はハンティングの能力が高く、人の指をかみ切ることはできる」と話すが、今回の騒動については「初めて聞く話で、実際にあり得るかは全く分からない。猫の便の内容物を見ればはっきりするはず」とコメントした。
 都内の動物園の飼育担当者も「足の指をかまれた人がピクッと反応すれば、驚いて逃げるはず」と首をひねる。
 「動物故事物語」などの著作がある動物ライターの實吉達郎(さねよしたつお)さんは、猫に人間の指をかみ切る能力すらないと指摘したうえで、「猫は用心深い動物で、間違っても人を襲うようなことはないはず。他の動物の仕業ではないか」と猫の「犯行」を強く否定している。
 事件後、埼玉県はネズミ、アライグマ、犬などの可能性を考え、ホームの中庭に捕獲おりを設置。おりにかかったのが猫だった。県は「たまたま猫がかかったが、猫の仕業と断定しているわけではない」と説明。一方、県警は、「猫が部屋に入って女性の足をかじった可能性が高い」と判断して捜査を打ち切っている。
 ホーム職員によると、この猫は約2カ月前から中庭にすみ着いたという。30〜40センチのメスで首輪はない。現在、埼玉県動物指導センター春日部支所(春日部市)で保護されており、飼い主が名乗り出なければ同センターが新たな飼い主を探すことになる。県には「猫を殺さないで」という電話が相次ぎ、希望も複数寄せられている。
 猫の管理責任について、板倉宏・日大教授(刑法)は「犬については放し飼いが違法で、第三者に危害を加えた場合は、飼い主の過失傷害が問われる可能性が高い。しかし、ネコは放し飼いが許されており、人の足をかむ性癖があることを認識していなければ、飼い主の責任が問われる可能性は極めて低いのではないか」と話している。
 県はホームに対し、再発防止のために、小動物が施設内にすみ着いていないか天井裏など隅々までチェックするよう口頭で指導し、文書での報告を求めている。


 ◆事件の概要
 埼玉県北埼玉郡の特別養護老人ホームで6日午前5時ごろ、ナースコールが鳴り、職員が駆けつけると、入所している認知症の女性(88)の両足から出血、右足の指すべてが第1関節近くからなくなっていた。女性は寝たきりで会話が出来ない状態で、同室の入居者からの通報だった。
 同ホームによると、女性の部屋は1階で、当時、窓が約30センチ開き、網戸の下にも穴が開いていた。床などに猫の足跡があり、職員が中庭にすみ着いている猫の口の周りが赤く染まっているのを目撃していた。県警は、この猫が女性の指を食いちぎったという見方を強めている。。
毎日新聞 2005年10月13日 12時52分 (最終更新時間 10月13日 15時15分)
転載許可済

毎日新聞 2005年10月13日 発売

「週刊文春」(10月20日号)にこの事件のことが載る

このあと、記事は続く。

この記事の中では、ベテラン獣医師が口を揃えて「猫犯人説」への疑問を述べたことを記載。

 

 

10月14日午後5時追加記事
 

「市民メデア・インターネット新聞JANJAN」に、10/13に、以下の記事が掲載されています。
椿 伊津子(HN:椿わびすけ)さんのお書きになった記事です。

猫にかじられて足の指を失った記事について

 

☆☆☆
 

この事件の真相が解明されることを切に願い、追加情報が入り次第アップいたします。

 

 

管理人から・・・。
 

この事件の最初のニュースが流れた時、やはり私としては「そんなことはありえない・・・」という感想を持ちました。

そして、大変危惧したことは、動物への認識が少なく、あのニュースを見た一般の方々がなんの疑いもなく猫の仕業であったという「知識」を頭に植え付けられてしまうことが、これからの地域猫や野良猫への迫害になるかもしれない、施設へ出入りし、そこでかわいがられている猫がとたんに「危険」という目で見られ、捕獲処分ということになるかもしれない、
そんなことにもなりかねない危険なニュースの報道の在り方と、報道をすぐに鵜呑みにする現在の風潮に、非常に危機感を覚えたのです。

また、ちょっと疑問視はしたけど、すぐに忘れてしまい、頭の中に「猫がやった酷い事件があった」という記憶が刷り込まれただけで終わってしまうことも危惧しました。

報道や情報の恐ろしい面は、たまたま見たニュースのタイミングのことだけで、信じて終わってしまうということがあり、「真相」までちゃんと知ることなく、中途半端なイメージで終わって認識されたままになってしまうことがある、という点です。

今回の件で、熱心に情報収集をしてくださったサポーターの方も「ホームの中には、アニマルセラピー効果を狙って猫を飼っているところもあるそうですし、マスコミも世間様も、最初だけ話題として取り上げても、時間が経って発覚した真実は放置、又は興味を示さない方のほうが多いお国柄ですから、仮に当初と違う事実が発覚しても、それが認知される事は難しいのではないか・・・と、このニュースを聞いた時に真っ先に危惧した事です。」とおっしゃっています。

 

マスコミ、報道関係者には、慎重な報道をして欲しいのと同時に、私たちがこうした報道を目にした時、どうとらえ、どう対処することが、動物愛護活動を「白い目」で見られることなく、「常識」として多くの方に受けいられて賛同してもらえるのか、その視点を忘れずに行動することこそ、大事であると考えます。

今回の事件では、きっと、私を含め、賛同者の皆さんのほとんどは、「猫のはずがない」という印象を持たれたことと思います。

しかし、決して感情的になって「そんなこと!猫がするわけないでしょう!」と抗議する方法はとるべきではない、と考えました。「愛するわが子に限って!」という感情だけで、証拠もなしに無実を主張することは、猫を犯人と確信した相手には説得力がありません。

だからこそ、専門家としての意見を言える人はいないか、と、専門家の意見を待ち望みました。今回、「週刊文春」さんが、ベテランの獣医師さんたちに取材し、意見を聞いてくださり、記事にしてくださったことに、心から感謝いたします。(※サポーターの方が、即お礼の電話を週刊文春さんにかけてくださいました)

また、いくつかの愛護団体さんが、理性的に見解を述べ、所轄警察や保健所に事実関係の調査を求める考えを表明してくださったことにも、感謝します。

そして、動物行動学や動物生態学の専門家ではない私たちも、理性的な判断で「疑問」を投げかけ、「声」をどんどんあげていくことも、大変大切なことだと思います。

サポーターのお一人は、このように述べていらっしゃいます。

「この様な事件が起きた時に、一番大切なのは「事実」です。
証拠も無しに猫は犯人。
V.S
証拠も無しに猫は無罪。
客観的に見ると、お互い同列にも関わらず非難をしているわけです。
これでは、どちらにも説得力は無いわけですよね。
まずは、事実の確認から始めなくてはいけないのではないでしょうか?

感情論ではなく事実の開示を求めてゆくのが、適正な方法では、ないでしょうか?」

私たちは、確実な「犯人」の「証拠」を捜査してください、と警察にお願いをしました。

「証拠」として、何があがってくるのか。。。

このような事件の再発防止のためにも、真実が解明されることを、切に願っています。

2005年10月14日午前3時

 


2005年10月14日UP!!


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