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「アメリカNY動物警察」番組レポート 4-2

ニューヨーク市
人口 800万
ペット数 500万
警察権限を持つ動物虐待捜査官 15名
ようこそ“動物警察”へ

彼は動物虐待防止協会(ASPCA)のH捜査官。おとり捜査もするため、顔は伏せます。
H捜査官は今、通報を受け、ハーレムに急行しています。

H捜査官『通報してきた女性の話では、向かいの建物で麻薬中毒者が、近所の野良犬を理由もなく殴り殺して捨てていったそうです。現場へ急行している理由は、これ以上、被害を広げないためです。奴等は動物を虐待して楽しんでいるんです。現場に残された証拠を見つけ出して、捕まえてやりますよ。通報者も憤慨していましたから。』


デラレート捜査官も合流しました。
彼らはすぐさま、無残なイヌの死体を発見しました。

H捜査官『あの棒で殴ったんだろう。』
こちらが通報者の女性です。
通報者『犯人はこのビルに住みついている浮浪者よ。1人はドレッドヘア。ビルから出てきてイヌをその中に投げ込んだの。』
H捜査官『はっきり見たんですね。』
通報者『ええ、もちろん!』
野良犬は住民に愛されていました。
通報者『ポンチョと呼ばれていたの。かわいそうに…。(とイヌのいる場所を覗き込む。)みなのアイドルだったのよ。“137丁目のポンチョ”と呼ばれてね…。9年もここにいたのに…。』
デラレート捜査官『9年間も?』
通報者『おとなしいイヌだったわ。』
通りすがりの男性『俺エサをやってた。皆そうだよ。動物を殺して何が面白いのかね…』
H捜査官『既に犯人のめぼしはついています。今も近くにいるはずです。殺されたイヌは廃墟となったビルに住みついて、住民からエサをもらっていました。大人しいイヌで可愛がられていたようです。これからASPCAで検視をすれば、死因が分かるでしょう。住民からの情報も多数寄せられるはずです。』

その頃、ディジャコモ捜査官は、ブルックリンに向かっていました。
ディジャコモ捜査官捨てイヌの通報を受けました。通報者はアパートの家主で、とても心配した様子でした。これから見に行きます。』

一軒のアパートに入るディジャコモ捜査官。
家主『住人は皆、信用ならん。家賃はどうしてくれる?』
どうやら住人が家賃を払わず、イヌを残して出て行ったようです。
ディジャコモ捜査官『家主の話では、3階の住人が黙って出て行ったらしく、部屋に飼い犬だけ残されているそうです。エサも与えていないようです。』
家主は住人が出て行った後も、不法侵入で訴えられるのを恐れ、室内に入りませんでした。
ディジャコモ捜査官『中に入れてくれる?』
家主『ほら、見てくれ。』

ディジャコモ捜査官『なんてこと…。もう大丈夫よ。かわいそうに、痩せ細っています。ひどい飼主ね。(と、イヌを撫でる)』
家主『イヌを置き去りにして、自分らだけ逃げたんだ。空腹なんだろ?』
ディジャコモ捜査官『そうよ。(とイヌにガムを与える。)胸が痛むわ。水さえあげてないの?』
ディジャコモ捜査官『リストが貼ってあるわ。』
計画的な夜逃げのようです。
ディジャコモ捜査官『持って行く物を書き出したのね。ベッドやステレオやネコまで書いてあるのに、イヌだけリストにないわ。 出て行ったのはいつ?』
家主『多分、今月の初め頃だったと思う。』
ディジャコモ捜査官『でも、冷蔵庫のチキンは新しいじゃない。』
家主『部屋の又貸しだよ。』
ディジャコモ捜査官『誰に?』
家主『知らない奴が夜中だけ部屋を使ってた。』
ディジャコモ捜査官『イヌの飼主はどっち?元の住人?又貸しした相手?』
家主『元の住人だ。』
ディジャコモ捜査官『ドッグフードは?』
家主『どこにもなさそうだ。(と一緒に探す。)どうするんだ?』

ディジャコモ捜査官『すぐ獣医に診せてエサを与えるわ。これほど衰弱するまで放っておくなんて許せません。飼主宛てのメモをドアに貼っておくわ。イヌを保護したとね。返してほしければ連絡してくるはず。同時に私達も飼主の居場所を探すわ。』

幸い家主は飼主の勤務先を知っていました。
ディジャコモ捜査官『住人は家具などを運び出しています。リストの最後には“完了”と記されていました。準備は完璧だと思ったんでしょう。でも、部屋にはイヌが置き去りにされていました。彼らにとって、イヌは置物と同じなんでしょうね。』

彼女は衰弱したダルメシアンを連れASPCAの診療所に向かいます。イヌの名は“101匹のワンちゃん”のパーディに決まりました。
ディジャコモ捜査官『餓死する前に救出できてよかったです。』
これほど衰弱していたら回復に時間を要しますが、ASPCAで長期に渡るケアを受けられます。
(ASPCAで診療中のパーディ。)

ギドルウスキ獣医師『まぁ!かわいい子。…衰弱してるわね。』
ディジャコモ捜査官『ここに来る前に、おやつを少しだけ与えたわ。あと水も少し。』
獣医『お腹を触っても空っぽだわ。中に何も残ってないのね。ダルメシアンは元々スリムなイヌだけど、細すぎだわ。もし、この脂肪のない体で屋外に置き去りにされていたら、凍え死んでいたでしょう。部屋の中にいたから助かったけど…。』
ディジャコモ捜査官『よく耐えたわね。』
獣医『でも、餓死する危険性は十分にあったわ。パーディちゃん、お食べなさい。おいしい?(凄まじい勢いでフードを食べるパーディ)最初は少量のエサを日に何度も与えます。急に沢山食べると吐きますからね。様子を見ながら量を増やし、回数を減らしていきます。

ハーレムで死体となって発見された、野良犬のポンチョのレントゲン写真が出来上がってきました。

獣医『ここは前頭洞と呼ばれる部分ですが、この部分の骨が砕けています。』
H捜査官『この傷は木の棒で殴られたような傷ですか?現場に落ちていたんです。』
獣医『専門医に分析してもらいましょう。』

詳しい分析結果を待っている間、H捜査官は容疑者を探しに出かけることにしました。現場周辺を捜査するため、サンダーノ捜査官も協力します。
通報者に再び話を聞きます。
通報者『窓辺でタバコを吸っていたら、ビルから男達が出てきて1人がイヌを放り投げると、もう1人が殴りかかったの。びっくりしたわ。』
サンダーノ捜査官『前からイヌを虐待してたみたい?(首を横に振る通報者。)見たことない男?』
通報者『知っている顔よ。話したことはないけど。』
(足元にまとわりついてきた野良猫にエサを与えるサンダーノ捜査官。)
H捜査官『目撃したことを書き出してもらえますか?そのオトコは目立つ外見をしているんですね?』
通報者『毎晩11時頃になるとここに戻って来るの。片方の男がイヌを放り投げて、もう1人の男がイヌの頭を殴ったの。他にもまだ?』
H捜査官『いえ、これで十分です。また何か情報を得たら知らせてください。私達はビルを捜索します。皆さんのためにも早急に犯人を捕まえますよ。』
通りすがりの男性『イヌが殺されたって?』
H捜査官『今、捜査中なんです。』
『俺も秋田犬を飼ってて、よくここで散歩させてたんだ。』
H捜査官『気をつけて。』
通報者『危なくてしかたないわ。』
『いいイヌだったのに。』
通報者『あのネコも放っておくと殺されるかもしれない。』
(サンダーノ捜査官がネコ缶を持ってきて通報者に渡す。)
サンダーノ捜査官『ネコにやって。逃がさないようにね。』
通報者『エサをもらったわよー。(とネコに話しかける)』
H捜査官『私達はこれから容疑者を探しに行きます。』
サンダーノ捜査官『あのネコを絶対に悪党どもに近づけちゃダメよ。』
H捜査官『もう死体は見たくない。おデブちゃん、がっつくなよ。笑(とネコに声をかける。)』

H捜査官は廃墟となったビルを捜索します。
H捜査官『ひどい状態だ。あのはしごを使ったんだな。足元に気をつけろ。』
廃屋の捜索は最新の注意が必要です。何が待ち受けているか分かりません。
H捜査官『いそうにないな。屋上に上がってみよう。 犯人がいたら大変でしたね。手錠をかけた容疑者を連れてはしごを降りたりするのは苦労ですよ。でも、捕まえてみせますよ。近くにいるはずです。』

ビルにはいないようなので、近隣を車で巡回します。
H捜査官『恐らく近所で物乞いでもしてるでしょうから、これから車で走ってみます。』
それらしい人物を見つけましたが、人違いのようです。
H捜査官『もっと背の低い男だ。』
通りすがりの女性『ポンチョ殺しの捜査?男を見たわ。(情報を話した模様)』
サンダーノ捜査官『ありがとう。恩に着るわ。』
女性『私のことは内緒に。』
サンダーノ捜査官『今、近隣住民の1人から情報を得ました。犯人がよく行く店があるそうです。ご覧の通り、住民たちも捜査に協力的です。教えられた店に、これから行ってみます。(店から出てパトカーに戻ってきて)ハズレよ。いなかったわ。』
H捜査官『今日はハズレだったけど、こまめに店を張っていれば絶対に見つかるさ。』
H捜査官の意欲はこんなことでは衰えません。

ディジャコモ捜査官は、次はサラックス捜査官とネグレクト事件に当たります。サラックスは昨日、衰弱したイヌが2匹いると通報を受けました。しかし、飼主は不在でした。そこで飼主にメモを残した所、ある動物保護団体のシェルターに、1匹のイヌが連れて来られたそうです。
保護団体受付の女性『痩せたロットワイラーよ。』
サラックス捜査官『いるの?会えます?連れて来られたのは昨夜?今朝?』
女性『今朝よ。』
サラックス捜査官『何と言って連れてきたの?』
女性『拾った、飼えないと言って。』
イヌの名はキング。捜査官の前に現れたキングは明らかに衰弱した様子でした。
サラックス捜査官『犬小屋さえないと通報者は言ってたわ。匿名電話でね。』
獣医『脱水状態だわ。今日来たの?』
サラックス捜査官『ええ、昨日まで家にいたの。』
獣医『ひどい衰弱ぶりね。骨が見えてる。』
どうやら飼主は、かなり長い間イヌの世話を怠っていたようです。処罰を恐れ、慌ててここへ連れてきたのでしょう。
キングをASPCAの獣医に診せる手配をして、2人は1匹の救出に向かいました。飼育放棄“ネグレクト”は後を絶ちません。
サラックス捜査官『飼い犬をモノだと思っているんです。“イヌも家族の一員よ”と説明しても、彼らの意識を簡単に変える事はできません。…着いたわ。』
もう1匹はまだ家にいました。

ディジャコモ捜査官『こんにちは。(とイヌに話しかける)』
近づくとイヌに異常が見られます。眼球が腫れています。
サラックス捜査官『昨日はもう1匹の影に隠れて目の傷までは見えませんでしたが、衰弱ぶりは分かりました。』
(捜査官に尻尾を振って、その足にすがりつこうとするイヌ。)
サラックス捜査官『仕方なく署に戻ると、メモを読んだ飼主から留守電が入っていて、2匹とも獣医にかかったことがない、と言っていました。エサしか与えてなかったようです。このまま放っとけ
ないわ。』
ディジャコモ捜査官『獣医に診せなきゃ。』
サラックス捜査官『(家のドアを叩いて)お邪魔していい?こんにちは。』
飼主の妻『イヌはいないわ。』
ディジャコモ捜査官『もう1匹いるでしょ?』
『あれもシェルターに連れて行くそうよ。』
ディジャコモ捜査官『その必要はないわ。私達が保護するから。眼の傷はどうしたの?』
『私は何も知らないのよ。』
ディジャコモ捜査官『とにかく、今から連れて行くわ。(とドアから出てくる)』飼主は不在。彼の妻から得た情報はイヌの名前だけでした。

ディジャコモ捜査官『マギーって言うの?(とイヌに話しかける。嬉しそうにはしゃぐマギー)』
サラックス捜査官『リードを付けたわ。眼が痛々しいわね。(はしゃぐマギーを見て)いい子ね。』
ディジャコモ捜査官『目にひどい炎症が見られます。眼球が飛び出すほどなのに、獣医に診せていません。奥さんの話では、旦那は無関心だったようです。今頃シェルターに連れて行っても手遅れですよ。』
サラックス捜査官『診療所に連れて行って、目を検査してもらいましょう。』
ディジャコモ捜査官『(マギーを抱っこして)結構重いじゃないの。入んなさい。(とパトカーの後ろに積んだケージに入れる。さあ、出発よ。』

サラックス捜査官『昨日、この子の写真を撮ろうとしたら、キングが前に立ちふさがってちゃんと撮れなかったのよ。奥まで踏み込もうとしたんだけど…』
ディジャコモ捜査官『キングがウロウロしてたら近づくのは無理よ。』
(ASPCAに到着したパトカー)
ASPCAのフェニシェル獣医師にマギーを診てもらいます。
フェニシェル獣医師『飼主は何か言ってた?』
ディジャコモ捜査官『飼主の妻は何も知らなくて、年齢すら分からないって。』
獣医『(マギーを診察しながら)このイヌの目を見た所、どうやら白内障を患っているようです
。白く濁ってるでしょ。その上、水晶体の位置までズレてしまっているわね。眼房水が流れ出ないから眼球が出ているのよ。眼内の液体が詰まって眼圧が上昇しているの。』
ディジャコモ捜査官『発症時期は分かる?』
獣医『いいえ。昨日今日じゃないわ。専門眼科医に診てもらうのがいいと思うわ。残念ながら眼球を残すことは無理でしょうけど。 いつ頃病気になったのか診断してもらえるわ。』
もっと早く獣医に診せていたら、ここまで悪化しなかったはずです。

一方、ルーカス捜査官も、キングを連れてシェルターかASPCAに戻ってきました。
ルーカス捜査官『パイヴァ先生に診てもらいましょうね。』
虐待を受けていないか、ASPCAの獣医に診断してもらいます。
ルーカス捜査官『とてもいい子よ。今まで獣医に診せたことがないそうよ。足が腫れてない?』
パイヴァ獣医『ここの部分でしょ?レントゲンを撮って!患部の状態を調べましょう。』
ルーカス捜査官『随分痩せてる。』
獣医『骨が数えられるもの。心雑音も少し聞こえるわね。衰弱と何か関係があるかもしれないわ。とにかく、衰弱しているのは間違いない。更に詳しく調べて原因を追究しましょう。』
ルーカス捜査官『衰弱の原因が分かればマギーと併せて、飼主を虐待の罪に問えるかもしれないわ。獣医に診せてもないんだから、罪に問われて当然よ。

現時点では断定できませんが、マギーの目とキングの衰弱ぶりからすれば、飼主の起訴は必至のようです。捜査官らは証拠固めにとりかかります。
獣医『すぐに名前にふさわしい体格になるわ。』
ルーカス捜査官『飼主はまったく何を考えてるのかしら。』
(凄まじい勢いでエサを食べるキング。)
ルーカス捜査官『お腹が減ってたのね。ここにいればもう安心よ。また来るわ。よろしくね。』

3週間前、ディジャコモ捜査官はアパートの一室でダルメシアンを保護しました。手厚い看護のお陰で、パーディは急速に健康を取り戻しています。
ギドルウスキ獣医師『体重も増えました。ここに来た時は9キロしかなく、ひどく衰弱した状態でした。血液検査をして問題がなかったので、徐々にエサを増やし、健康の回復に努めました。最初の
7日で体重が4キロ増え、その後も少し増えました。まだ標準より細いですけどね。もう少し体重が増えたら、不妊手術をし里親を探します。最初は人見知りしていましたが、とても人懐こい子です。おまけに活発です。ねぇ、お転婆なのよね。(とパーディに話しかける)』

 

その頃、H捜査官はハーレムで容疑者の追跡を続けていました。検視報告はまだ上がってきていませんが、容疑者を見つけ出して、通報者に顔を確認してもらうつもりです。
H捜査官『今日は殺害現場となったビルの前で張り込みをします。廃ビルに住みついているのは間違いなさそうですからね。…早速現れたぞ。住民の情報通りだな。』
(パトカーを降りるH捜査官。)
H捜査官『調子はどう?(と容疑者に話しかける)ここにいたイヌのことで話を聞きたいんだけど。』
容疑者『イヌのこと?』
H捜査官『そうだ。何か知ってるか?』
容疑者『おっかねえイヌだ。』
別の捜査官『最近見かけたか?』
(ソワソワと落ち着かない容疑者。H捜査官だけパトカーに戻って来て)
H捜査官『あいつだ。これから通報者に電話をして、窓越しに確認してもらいます。(電話をかけて)…もしもし』
通報者『もしもし』
H捜査官『今、ビルの前で容疑者を見つけたんだが、窓から覗いて確認してもらえないかな?』
通報者『待って。窓辺へ行くわ。』
H捜査官『緑の上着を着ている。』
通報者『そう。あの男よ。…何だか恐いわ。』
H捜査官『もういいよ。ありがとう。事件解決に一歩近づいたよ。間違いないね。』
通報者『ええ、あいつよ。よかったわね。』
H捜査官『ありがとう。』
(電話を切ると、パトカーに戻ってきたもう1人の捜査官に向かって)
H捜査官『あいつだって。確認してもらった。』
別の捜査官『そうか。』
H捜査官『イヌを殴り殺したのは間違いなくあいつだ。まだ獣医の報告はないけど、凶器もあるし目撃者もいる。証拠は十分にそろったぞ。』

別の捜査官『逮捕は目前だ。』
H捜査官被害者は人間じゃなくイヌだが、これも立派な殺害事件だ。
あとは獣医からの最終報告を待つのみです。

眼科医の診断を受けたマギー。やはり目は治らないそうです。
フェニシェル獣医師『もう視力はないですし、痛そうなので眼球を摘出することになりました。ひどい緑内障だそうです。眼房水の流れが滞り、眼圧が上昇しているのです。感染症や腫瘍ができている可能性もあるので、生検を行う予定です。』
フェニシェル獣医師は別の病気も見つけました。乳腺腫瘍が出来ていたのです。
獣医『乳房を全部切除することになりました。手術は数回に分けて行うことになるでしょう。生検の結果によりますが、長生きは難しいかもしれません。たとえ悪性で短い余生でも、幸せに暮らすこ
とがマギーにとっては大切です。私達も出来る限りのことはしたいと思います。』

 

トレーニングルームに入るトレーナーとキング。
トレーナー『リードを放して、どう反応するか見てみましょう。』
キングは健康を回復し、今日は里子に出すための審査を受けます。トレーナーたちは心配そうです。
トレーナー『元の飼主が満足にエサを与えていなかったので、食事中に邪魔されると攻撃的になる恐れがあります。』
(とキングの前にエサの入ったフードボールを置くトレーナー。手の形をした棒をキングの前に差し出してみた所で、一気に食べ終えるキング。)
トレーナー『もう少し与えてみます。』
(フードボールを床に置いてすぐ離れるトレーナー)
トレーナー『あっという間に食べちゃうからテストできないわ。
こっちに来てリード持ってくれる?(ともう1人のトレーナーに指示。)キングの後ろ側に立ってちょうだい。キングの頭があちらに向くようリードを引っ張ってね。手を出してみるわ…(威嚇するキング)嫌みたいね。一回ずつご褒美をやって、機嫌よくテストさせなきゃ。(とキングにご褒美のオヤツを与える)』
トレーナー『次に行くわよ。今度は頭の方に立って。(ともう1人のトレーナーに指示)私は後ろに回ってお尻を押さえつけるから。…後ろに回られるのを嫌がってるわね。(お尻を触ってすぐに離れて様子を見る)とても用心深くて、体に触られるのを嫌がっています。今後訓練で、馴らしていく必要がありますね。ただ、エサは落ち着いて食べられました。これは意外でしたね。(とキングを撫でる)』
時間と共に、キングの緊張も解けてきたようです。
トレーナー『テストを開始した時と今の態度を比べただけでも、随分と進歩が見られます。最初は私達を警戒していたのに、今はとてもリラックスしています。希望が持てますね。』
一度は失った人間への信頼も、ASPCAの協力で取り戻せそうです。
マギーは無責任な飼主のせいで、片目を失う事になりました。摘出手術が行われる中、捜査官の2人は飼主の家に向かいました。
(飼主の家へ到着)
ディジャコモ捜査官『ASPCAの捜査官です。イヌの引渡し同意書に署名して下さい。本題はこの先なんですが、マギーもキングも酷い状態でした。あなたは世話を怠った罪で逮捕されます。壁に手をついてください。…何で獣医に診せなかったんです。(飼主に手錠をかけてパトカーへ連行。)あなたの供述は裁判で証拠となります。尋問では黙秘権と弁護士をつける権利が与えられます。』
(パトカーに乗る)
ディジャコモ捜査官『逮捕は当然のことですが、彼には予想外だったようです。あれだけ放ったらかしにしたのですから、仕方ありません。』
飼主には1,000ドルの罰金か、最長で1年の禁固刑が科せられます。
元気になったパーディもトレーナーの元にやって来ました。
トレーナー『座れ。(トレーナーの前にウキウキと寄って来て座るパーディ)…お手。お手はできないの?(立ち上がって尻尾を振るパーディ)』
パーディならすぐに里親が見つかるでしょう。しかしその前に、トレーナーによる審査に合格しなければなりません。
(フードボールに手をやっても怒らないパーディ)
トレーナー『さあ、次のテストよ。』
別のトレーナー『何よ、そのセーター!趣味が悪いわね!(と声を荒げてパーディに近づく)お前は何て悪い子なの!』
(尻尾振ってトレーナーに近づこうとするパーディ。叩く真似をされても尻尾を振って少し下がるだけのパーディ。)
別のトレーナー『さあ、こっちへおいで。(と優しい声で両手を広げる)』
(ためらいなく、トレーナーの手に向かって撫でられるパーディ)
トレーナー『飼主に捨てられたのに、今ではすっかり立ち直っています。人間を攻撃する様子もなく、びくびくする様子もなく、エサも静かに食べています。この子なら何の心配もなく里子に出せます。とても愛らしいイヌです。』
最後に他のイヌと遊ばせてみます。
別のトレーナー『(じゃれ合う2匹を見て)文句のつけようがないわ。』
トレーナー『とても温厚だわ。』
別のトレーナー『活発だけどね。笑。はい、そこまで。』
トレーナー『この後は斡旋部に連れて行かれる予定です。すぐに里親が見つかるでしょう。子供のいる家に引き取られても大丈夫です。』

手術を終えたマギーは里親探しのため、NYのテレビ局を訪れました
テレビ局の女性『かわいい足ね。』
ペンタンジェロ捜査官『フワフワだ。スリッパみたいだ。笑。ハニーも興奮している。(とスタジオに入る)』
名前を“ハニー”に変え、新しい飼い主を探します。

アナウンサー『今日はASPCAのペンタンジェロ捜査官をスタジオにお迎えしました。そちらは?』
ペンタンジェロ捜査官『ハニーです。この子はASPCAに保護され、その後病気の治療を受け、ようやく元気を取り戻しました。』
アナウンサー『里親への要望は?』
ペンタンジェロ捜査官『愛情をたっぷり注いでやってほしいですね。辛い経験をしてきましたから、この子もそれに応えると思います。』
アナウンサー『とても愛らしいわ。里親希望の方はぜひ、ご連絡ください。』
(スタジオを去る捜査官とハニー)
ペンタンジェロ捜査官『この番組を見てハニーを引き取りたい、と誰かが申し出てくれたらいいですね。眼は1つしかありませんが、ハートは2倍の大きさです。ほら、こんなに元気です。(ふっくらした体をソファーに擦り付けるハニーに向かって)なぁ、ハニー?』

H捜査官はポンチョの死亡に関する最終報告書を受け取りました。死因はやはり、撲殺でした。
H捜査官『容疑者がこの辺りにいると、たった今情報が入りました。たぶん物乞いしながらウロウロしてるんでしょう。この寒さでは容疑者も店の中にいるでしょう。見つけるのは困難かもしれません。』
H捜査官『右側を見てくれ。ゆっくり近づいて…奴に違いない。」
別の捜査官『ああ、彼に間違いない。』
H捜査官『金をねだってるぞ。(男に近づいて)手錠をするからじっとしろ!』
容疑者『あのイヌを殺したのは俺じゃない!』
H捜査官『動物虐待の罪で逮捕する。』
容疑者『俺は動物なんか虐待したりしない!』
H捜査官『分かった。おとなしくしろ。』
容疑者『俺が何したんだ?俺は動物を愛してるんだ。』
H捜査官『武器は携帯してないか?注射器は?』
容疑者『ナイフだけだ。』
H捜査官『どこだ?』
容疑者『俺は無実だ!誰かが嘘を教えたんだ!信じてくれよ!』
H捜査官『車に乗って。早く座れ。』

(走り出すパトカー)
H捜査官『年齢は?』
容疑者『真実と嘘の区別ぐらいつけられる年齢だよ。』拘束された容疑者はこの後裁判にかけられ、有罪となれば4年の禁固刑を科せられます。
H捜査官『あの男はイヌを撲殺したため、動物虐待の罪で逮捕されました。刑務所での暮らしには慣れているようですよ。』

一方、ハニーには新しい飼い主と、ケリーという仲間ができました。ハニーとケリーの相性は抜群です。
飼主『ケリーを散歩させていた時、偶然ハニーに会ったんです。2匹目を飼う気などなかったんですよ。でも、ハニーを見かけた途端、ケリーがそばに寄って行って離れようとしなかったんです。私
もハニーの魅力に負けて、飼う事にしました。
かわいい子ね。(とハニーを撫でる)
ハニーは家に来ると大喜びで、カーペットに体を擦り付けて、自分のベッドに飛び込みました。オモチャはまだ遊び方が分からないようです。ケリーも大喜びです。同居していたイヌを一度亡くしていますからね。』
ハニーは苦労の末に幸せを掴んだようです。

飼主『腫瘍は全て手術で取り除いてもらいましたが、今後も定期的に検査に連れて行きます。再発の可能性は高いですから。
見てください。手術の跡が痛々しいでしょ。でも、ハニーは強い子です。6年間も放って置かれたというのに、そんな事を少しも感じさせません。そうよね?金髪ちゃん。(とハニーに話しかける)ハニーは我が家の大切なお姫様です。』

番組で捜査、又は、逮捕の対象となった市民は
法廷で有罪が確定するまでは、無罪と推定されます。

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