| ◆お話させていただいた内容
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このたび、「遺失物法」の改正により、拾得物としての動物の取り扱いについても変わることになっています。実際の運用面において、実態を鑑みますと、懸念される事態があります。
まず、迷子になって放浪している犬猫を保護し、警察に届けることにより、「遺失物法」の適用を受けた場合、犬は最低でも2週間の保管期間と定められておりますので、命の保証期間は2週間ということになります。
しかし、もし、放浪中の犬が「逸走動物」として保健所や動物愛護センターや動物指導センターに捕獲された場合は、「狂犬病予防法」の適用により、たった2日間の公示期間と公示期間満了の後1日において、所有者が見つからない場合は、処分することができる、と定められており、命の法的保証期間は3日間となってしまいます。
このように、迷子の動物がどこに届けられたかにより、適用される法律が違い、その命の保証期間が大きく違う、という実態が長く続いてきたわけです。
法律の矛盾として、命を「物扱い」する法律(遺失物法)のほうが「命あるもの」として扱う法律(動物愛護法/狂犬病予防法)よりも、命を救ってきた、という皮肉な実態があります。
ここにこのようなデータがあります。
所有者不明犬を保護/捕獲した自治体から、所有者に返還することができた返還率ですが、(飼育放棄数はもちろん含んでおらず、あくまで所有者不明の犬)
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◆H15年度の資料◆自治体からの所有者不明犬の返還率
岩手県_12.10パーセント
茨城県_1.7パーセント
栃木県_3パーセント
埼玉県_18パーセント
山梨県_21.9パーセント
岐阜県_16パーセント
静岡県_19.4パーセント
三重県_21.6パーセント
滋賀県_25.9パーセント
兵庫県_9.8パーセント
奈良県_4.5パーセント
岡山県_8.1パーセント
愛媛県_0.7パーセント
佐賀県_8.5パーセント
長崎県_8.7パーセント
熊本県_3.5パーセント
大分県_5.3パーセント
宮崎県_9パーセント
沖縄_9パーセント
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と、この19自治体の平均では、10.9パーセントという、つまり100匹の犬が保護されても、無事に飼い主のもとへ戻る犬の平均が、100匹のうちたった11匹ということになります。
ところが、これがもし、「拾得物」として今までの「遺失物法」の取り扱いを受けた場合は、どうだったでしょうか?
ここに、動物ボランティアの方が、大阪府警で受け取った行政文書のデータがあります。
大阪では平成17年度に拾得物としてあげられた5,929頭の犬のうち、4,248頭が飼い主に返されています。
実に返還率は72パーセントにまで高まるのです。
たった2日間の公示期間で、3日間しか命の保証がない保健所・センターからの返還率は約11パーセント。
2週間の「保管期間」、つまり2週間の命の保証期間がある警察からの返還率は72パーセント。
これだけの大きな差が実態としてあるわけですから、このたびの「遺失物法」の改正により、迷子の動物を警察で保護しない、となりますと、飼い主の元へ戻れる可能性を大幅に低めてしまうことが予想されるわけです。
たとえば、先にあげました大阪府の場合、64警察、607交番、46駐在所の計717カ所が対応してくださっているわけですから、小さくとも保護場所がこれだけあったということ、そして2週間という預かり期間であることが、返還率の高さを支えてきたことは明白ですから、「遺失物法」の適用から外れたあとは、「遺失物法」の運用面の良い面に学び、返還率が下がることのないような方策を、早急に自治体で対処していただきたいと思います。
交番や警察署は、保健所やセンターと違い、休みの日でも、また1日24時間いつでも受け付けてくれますから、こうした利便性も重要な問題です。
もし、これを動物愛護センターに集中させると、とても施設的に収容できるものではなく、休みの日は対処してもらえず、長期の預かりもできなくなり、次々と殺処分されることになってしまうでしょう。
これが、懸念される問題の1つ目なのですが、この点についての関係機関のお考え、特に、遺失物法が改正されても返還率70パーセントを保持するための対策についてはどのようになっているのかについて、ぜひ質問してほしいのです。
併せまして、警察からではなく、保健所/愛護センターからの返還率を、警察に届けられた時並にアップする、つまりは70パーセントにまで高めることを阻害している要因につきまして、「狂犬病予防法」の管轄省である厚生労働省、「動物愛護管理法」の管轄省である環境省の方からも、ご意見をお聞きしてください。
保護できる受け皿がないのに、これでは単に「閉め出す」だけの法改正になってしまいます。
「遺失物法改正」の動物に関わる審議が「動物を除外する」とだけで可決されることのないよう、お願いしました。
次に、もう1点。非常に重大な問題についてお話させていただきました。
「動物の愛護管理法」により、「動物遺棄」つまり、動物を捨てることは犯罪として定められており、罰金も定められています。
これは、今回取り上げている「遺失物法」にも関係する、大変重要な問題です。
なぜならば、所有者不明として届けられる動物は、「遺棄」の可能性もあり、「動物愛護管理法違反」という犯罪の可能性があるからです。犯罪の取り締まりという市民生活を守る警察の責務として、明らかな法律違反である「遺棄」を捜査もせず、証拠も取らずに放置することは、警察の姿勢として看過できるものではありません。
「遺棄犯罪」の捜査・証拠の保管・警察内における書類作成・統計データ作成は、遺棄犯罪の捜査と、全国一律の調査書・報告文書の作成を急いで整備してくださるよう、ぜひお願いします。
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