遺失物行政研究会
遺失物行政の在り方に関する提言( 平成18年1月27日 )

http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki15/20060214.pdf


[4 動物の取扱い ]の部分

ア現状と問題点

現行の制度においては、飼い主が分からない犬、ねこ等については「逸走ノ家畜」として拾得物に準じて警察が取り扱うこととされている。 しかし、そもそも動物は、命あるものであり、専門的な知識に基づいた適正な保管(飼養)を行わなければ、疾病にかかったりしてしまうから、他の物件とは比べものにならない手数がかかるほか、餌代等の費用もかかる。

警察署では動物の飼養に関し専門的な知識を有する職員や専門の施設を有しておらず動物愛護の観点から見て、十分な飼養ができる状況にはない


イ研究会における主な議論の内容

このような問題点に関し、研究会においては、
動物は生き物であるから、適切、慎重に取り扱わなければならず、そのためには専門の施設や職員が必要であり、警察が適切に保管することは不可能であり、他の適切に保管できる施設で取り扱うべきである。ただし、 その場合も、警察と保管施設とが緊密に連携をとるなどして、拾得者や飼い主が不便をきたさないように配慮することが必要である。
○現在、動物を取り扱う機関は、警察や都道府県など様々であり、飼い主の立場からすれば、担当部署ができる限り明確にされることが望ましい。 といった議論がなされた。

ウ改善の方向性

このような議論を踏まえて、研究会としては、○動物の愛護の観点から、飼い主の分からない動物は、警察署で保管するよりも、都道府県等、動物の飼養に専門的な知識を有する職員や専門の施設を有している機関において取り扱うべきである。 と考える。

<警察庁のサイト内より「遺失物法案の概要」の一部>

◆大阪毎日放送が、この問題を取り上げていました。


http://mbs.jp/voice/special/200605/17_2710.shtml

「遺失物法」という法律で、改正案によると、落し物の預かり期間が半年から3ヵ月に短縮され、傘や自転車などは2週間で処分できるなど、警察の手間が大幅に省けるようになります。
問題の犬については警察で2週間、その後、保健所が引き取っていたのが、今後は直接行政が届出を受け付け、保護期間も短縮されます。
〈大阪府健康福祉部・長濱伸也氏〉
「犬、猫については公示期間を設けまして、3日後には処分できるというようなルールになっています」
ということは飼い主が現れなければノたった3日で「処分」されるってことです。
これには愛犬家たちもびっくり。
〈愛犬家〉
「そんなんかわいそうやわぁ。そんなすぐ探されへんもん」
「3日になったら飼い主も探しきれないですよね」
確かに犬の行動範囲は不確かなことも多く、最寄の警察や保健所に保護されているとは限らず、すぐに探し出せるとは言い切れません。
ただこれまでは警察に届けられた犬は、およそ7割から8割が飼い主のもとに返っていました。
これも2週間という保護期間があったからで、それが3日になればノ
〈動物愛護団体代表・甲斐尚子さん〉
「飼い主がたどりついた時にはもう処分されていた。というおっかないことも起きると思うんですね。本当の意味でかわいそうな動物と飼い主が増えていくと思うんです」

◆大阪毎日放送で続報が報道されました。

http://mbs.jp/voice/special/200605/31_2777.shtml

神戸新聞(5/16)
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000032087.shtml

(抜粋)「今国会で審議されている遺失物法の改正法案が可決、成立すると、「迷い犬」や「迷い猫」は同法の適用外となり、殺処分が増加するという懸念が広がっている。従来は拾得物として警察が一週間程度預かっていたが、改正後は都道府県の扱いとなり、兵庫県の場合、条例により三日が過ぎれば処分できるようになるためだ。県動物愛護推進員らは「飼い主が気付き、預かり先にたどり着くまでには時間が必要」と訴えている。」

 

kanako案

『警察官職務執行法』に所有者不明の動物の保護を加えてほしい!

「遺失物法」から動物を除外することにより、益々、迷子動物の殺処分増加、動物遺棄犯罪の証拠保全や、統計調査がなされなくなると予想されます。
こうしたことを回避し、更には動物問題にとってもより良い方向になる解決策を考察してみました。
今回の「遺失物法」の改正に伴い懸念される事態について、それを回避し、更には動物問題にとってもより良い方向になり、「動物愛護法」との整合性も図れ、警察の職務としても当然な方向で、解決策を考察してみました。
もともと、「命あるもの」を「物」扱いの「遺失物法」には、違和感を覚えていたのですが、これを機に、「遺失物法」ではなく、動物を「命あるもの」であり、生命尊重の立場から考える、という基本原則にのっとり、本来ならば、以下のように改正すべきであると考えました。


このような法律があります。

『警察官職務執行法』
(昭和二十三年七月十二日法律第百三十六号)
最終改正:昭和二九年六月八日法律第一六三号
この法律の中の、
(保護)第三条は、次のように規定されています。


第三条(保護)  
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して左の各号の一に該当することが明らかであり、且つ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、とりあえず警察署、病院、精神病者収容施設、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。


一  精神錯乱又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞のある者


二  迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)


2  前項の措置をとつた場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その者の家族、知人その他の関係者にこれを通知し、その者の引取方について必要な手配をしなければならない。責任ある家族、知人等が見つからないときは、すみやかにその事件を適当な公衆保健若しくは公共福祉のための機関又はこの種の者の処置について法令により責任を負う他の公の機関に、その事件を引き継がなければならない。


(※以下3〜5は略)


「遺失物法」から動物を除外する場合、では、どの法律により今まで「遺失物法」で扱っていた動物を扱うのか、ということが決まっていなければならないわけですが、「警察官職務執行法」第三条で取り扱うことが、最も適当であると考えます。
今や、ペットは家族の一員としての地位を確立しつつあり、「生命尊重」の立場からも、徘徊している動物を発見した場合、これを保護し家族の元に返すこと、また徘徊している動物による危害が周辺の住民に及ぼされることを未然に防ぐという「生活安全」を守る、という点から、更には、「動物遺棄犯罪」の観点からも、(遺棄される動物の中には、人間にとって危険な動物もいますから、生活安全の観点からも、見逃されてはならない犯罪です)
警察官の職務執行法の第三条の中に、動物を含むようお願いしたいと思います。
これらの、「生命の保護」 「市民生活の安全確保」 「犯罪の証拠の確保」は、やはり、第1に警察がその職務として行い、次に「動物愛護法」に定められた規定に引き継ぐ、という流れが肝心かと思います。
そこで、「警察官職務執行法」第三条を以下のように改正することを、「遺失物法改正案」の条件としていただきますよう、改正案を審議される国会議員の皆様にお願いしたいと思います。


**kanakoの改正案**
 第三条に追加


第三条(保護)  
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して左の各号の一に該当することが明らかであり、且つ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、とりあえず警察署、病院、精神病者収容施設、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。


一  精神錯乱又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞のある者


二  迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

三(追加) 飼い主とはぐれて迷子になっている動物。飼い主に遺棄された動物。


2  前項の措置をとつた場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その者の家族、知人その他の関係者にこれを通知し、その者の引取方について必要な手配をしなければならない。責任ある家族、知人等が見つからないときは、すみやかにその事件を適当な公衆保健若しくは公共福祉のための機関又はこの種の者の処置について法令により責任を負う他の公の機関に、その事件を引き継がなければならない。

2に追記
飼い主とはぐれた動物を保護した場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その動物の飼い主にこれを通知し、その引き取り方について必要な手配をしなければならない。
飼い主が見つからない場合は、当該動物を保護していることを、2週間公示(環境省の保護動物検索サイトへの登録)し、当該動物にとって、適切な公衆保護施設に、その事件を引き継がなければならない。
また、「動物遺棄犯罪」の可能性を鑑み、犯罪捜査として必要な処置を取らねばならない。

http://www.animalpolice.net/

2006年6月12日アップ

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